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金村さんは自分より三つくらい上の片岡さんと煙草を吸いながら出てきた。
片岡さんは伊達眼鏡のような黒縁眼鏡とフサフサヘアーもあってか32歳には全然見えない。
金村社長はK(金村のK。)のマークのキャップをかぶって、煙草の火を靴の裏で消した。
「みんなおはよ。んじゃあミーティングしよか。今日は吉川が嫁はんの病院に付いて行ってるから今日は遅れてくるらしいわ。」
「あっ今日が予定日っすか?」
木下君が金村さんに聞くと片岡さんが答える。
「予定日よりちょっと早いらしいわ。今日の朝方から病院いっとるし、無事に生まれたら社長に電話する言うてたで。」
「女の子やったら、また阿部ちゃんに唾付けられるなぁ。」
「付けませんよ!またってなんすか?」
からかった金村さんに阿部君が反論する。
行き先と作業内容を金村さんが告げ、出発する。
「付けませんよ!またってなんすか?」からかった金村さんに阿部君が反論する。
行き先と作業内容を金村さんが告げ、出発する。
お分かりの通り、社員は六人だけの小さな会社。
事務所もワンルームぐらいしかなく、ソファーや冷蔵庫など置いてあり、着替えたりご飯を食べるのもここだ。事務所の前には大きなモータープールがあり、そこに自分たちの乗用車と仕事で使う車が三台ある。
今日は吉川君がいないが普段は二人ずつ乗っていた。
だが今日は金村さんが一人で軽トラに乗っていた。
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