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事務所がある京橋と言うところから、十三に向かう。金村さんは、
「あっ!昼飯買ってくるん忘れてたわ…。ちょいコンビニ寄ってくるから先に現場行っといてくれんか?片岡も幸雄も場所わかるな?」
「大丈夫ですよ!」
僕ともう一台の運転する片岡さんと返事をし、助手席に阿部君を乗せ、ボロくて傷だらけのワゴンに乗る。ワゴンの後部座席には現場で使う工具などが乗っけてある。僕たちの仕事は主に建物を建てる為の足場を作りに行くことだ。本来、建物と一緒に足場を作る会社は多いが金村さんのアイデアで足場専門業をしている。
車を走らせ現場に到着する。少し遅れて、木下君を乗せた片岡さんの車が着く。
「ゆきにい何か今日けっこー混んでなかったっすか?」
「なぁ!阿部君なんかイライラしてたで。」
「してませんよ!」
道が混んでいるときノロノロ走っていた前の車に舌打ちをしたり、睨みつけたりしていた阿部くんが言い返す。
社長が来ないと仕事が出来ないので、それぞれの車を現場の手前に停め、車内で待機する。
30分が経ったが、まだ来ない。「これ引っかかってもうたかなぁ…。」
片岡さんが携帯を片手に電話をかけ続ける。
「あかん。出よらへんわ。」
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