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マナー的な…
「ゆ、許してください……」
身体を小刻みに震える男は懇願するように俺に話し掛けてきた。
なんと情けない声だろう。
男は紺のジャケットに下がトランクスという、なんとも間抜けな格好で、正座している地面からはアンモニア臭のするシミが男を中心に広がっていた。
歳は30代半ばだろうか?
福よかに肥えた身体が重力に逆らえずに垂れ下がり、より一層その姿を無様にしている。
「あ、あの……助け……」
男は言葉に出すのを諦めたように口をつぐんだ。
何を言っても仕方ないと気付いたのだろう。
俺はこの男を人間としては見ていないからだ。正直、家畜以下にしか思っていない。
なんの役にもたたない、タダの肉塊。
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