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しばらくボーッとしていた。
―キーンコーンカーンコーン…
チャイムの音でハッとして、慌てて立ち上がる。
「もうこんな時間!?帰らなきゃ!!」
玄関へ向かって走り出す。
靴を履きかえて外に出る。
校門を出るためにグランドを横切る。
「美紀ッ!?」
グランドの真ん中あたりをトボトボ歩いていると、誰かが私を呼んだ。
振り返ると、そこには智也の姿。
「え、智也…?あ、野球部どうだった?」
聞かれる前に質問すれば、聞かれないよね?吹奏楽のこと。
「んー…それがちょっと今大変みたいで…」
智也はそう言って頭をかいた。
「吹奏楽はどうだった?」
聞かれないようにしたけど、無意味だったみたいです。
…一番言いたくないのに。
「やっぱり入部するのか?」
「ううん、しないよ。」
「えッ!?」
やっぱり驚いてる。
そりゃそうだよね、ずっと言ってたことだったもん。
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