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「じゃあ、ママ、行ってくるね」 「あ、待て!なんで俺を置いてくんだよ~!!」 「あらあら♪気をつけてね~」 ママに見送られて家を出る。 ……ついでに智也も。 高校までの道を、2人で並んで歩く。 「なつかしいなぁ~。」 「なつかしい?」 「並んで歩くの!」 「そういえば…」 たしかにそうかも。 小学生までは、一緒に学校行ったりしてた。 「中学になった途端、美紀が先に学校行くようになっちゃったからさ~。」 智也が口をとがらせる。 しょうがないじゃない。 中学になると、まわりからの目が気になって、なんとなく2人でっていうのが恥ずかしくなっちゃって。 小学生の時から、からかわれてたしね。 それに、中学では密かに智也のファンクラブがあったりしたから、余計に、一緒にっていうのが怖かった。 だから、智也を避けるように登下校してたんだ。 「私にだって、いろいろあったんだから。」 「ふ~ん…。でも、やっぱり俺は美紀と行きたかったな~。」
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