177人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
「じゃあ、ママ、行ってくるね」
「あ、待て!なんで俺を置いてくんだよ~!!」
「あらあら♪気をつけてね~」
ママに見送られて家を出る。
……ついでに智也も。
高校までの道を、2人で並んで歩く。
「なつかしいなぁ~。」
「なつかしい?」
「並んで歩くの!」
「そういえば…」
たしかにそうかも。
小学生までは、一緒に学校行ったりしてた。
「中学になった途端、美紀が先に学校行くようになっちゃったからさ~。」
智也が口をとがらせる。
しょうがないじゃない。
中学になると、まわりからの目が気になって、なんとなく2人でっていうのが恥ずかしくなっちゃって。
小学生の時から、からかわれてたしね。
それに、中学では密かに智也のファンクラブがあったりしたから、余計に、一緒にっていうのが怖かった。
だから、智也を避けるように登下校してたんだ。
「私にだって、いろいろあったんだから。」
「ふ~ん…。でも、やっぱり俺は美紀と行きたかったな~。」
最初のコメントを投稿しよう!