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「あ、そうだ!!今日って帰り、時間ある?」 「え、部活なんじゃ…」 まさか、部活をサボる気…じゃないよね? 「違う違う。その後」 「あ、うん、あるよ。」 「じゃあさ、久々に俺ん家来ないか?親が「なんで最近、美紀ちゃん来てくれないのよ~?」ってうるさくってさ~」 「おばさんが?」 「あぁ。喧嘩したのかとか、病気でもしたのかとか、ずっと言っててさ。だから、来れない?」 「おばさんが心配してくれてるなら行こうかな。」 智也の家も、小学生以来になるなぁ…。 「まったく。顔見たいなら、自分で会いに行けっつの…」 智也が横で文句を言ってる姿を見て、思わず笑ってしまう。 何か文句があるときの智也の顔。 くちびるをとがらせた顔は、昔と全然変わってない。 「あ、何笑ってんだよ」 「べっつに~」 私は、舌を出して走り出す。 「あ、待て!!」 智也が慌てて追いかけてくる。
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