177人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
「いたッ!!」
なぜか智也にチョップされた。
「そんな不安そうにするなって。」
「してないよ。」
嘘。
ホントはめちゃくちゃ不安。
だけど、そんなこと言えない。
頑張るって決めたから。
これ以上迷惑かけたくないから。
「…何年の付き合いだと思ってる?顔に出さなくても、俺にはわかるよ。」
「だから違うってば!」
「強がんなって。不安になんかならなくたっていいよ。全部初めてのことなんだから、しょうがない。遅くなったのだって理由があるんだろ?」
「…………うん。」
私は小さく頷いた。
…不思議。
さっきまで、あんなに不安で怖かったのに、今はすごく安心してる。
何もかもお見通しで悔しいはずなのに…。
最初のコメントを投稿しよう!