177人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
「おっはよ~♪」
智也が、手を繋いだまま教室に入っていこうとする。
「ちょっとッ!!」
「おわッ」
私は、入る寸前で、なんとか手を振り払った。
このまま入るなんて、そんな注目浴びることしたくないし!!
「言えば離したのにー…」
「嘘ばっか。ここまで、何回言っても離さなかったくせに」
「ちぇー」
お願いだから、もう、これ以上目立ちたくないっていう私の気持ちもわかってください…。
拗ねる智也を無視して教室に入り、私は自分の席につく。
窓際の後ろから2番目。
隣には大人しそうな女の子が座っている。
いつでも外が見れるし、心地好い風が入ってくるし、かなりイイ席だ。
「はぁ~~~…」
しかし、気持ちとはうらはらに、大きなため息が出てしまう。
また振り回されてる…
昔からずっとそう。
いっつも私にちょっかいかけてきて、ホントいい迷惑…。
最初のコメントを投稿しよう!