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ホスト…嫌な響きだ。
あの時は欲しいものを買うために金を使い終わった後だったため、どんな仕事でもいいと思っていた。
それが、まさかのホストクラブだった。
普段は黒い鬘を被って、黒のカラコンをいれているのだけれども、ホストのときは取れと言われ、取ったらそれはそれは凄い反響だった。
本気で死ぬかと思った。
まぁ、その話は置いておこう。
つまり、バイトにも当たり外れがあまりにも幅広すぎたと言うことだ。
「先輩は皆にモテモテの生徒会長様ですからね。そんなのには慣れっこかもしれませんが、俺は生憎そういうのには慣れてないんですよ。」
そういうと、先輩は笑って俺の頭を撫でた。
意味がわからない。
そして、男に頭を撫でられても嬉しくない。
「まぁ、今回はそんなんじゃねぇから安心しろ。」
「まあ、そうならいいんですけど。でも、本当に金には困ってません。」
「それよりだな。飯食え。学校に遅れる」
時計をみると、現時刻7時20分。授業開始が8時35分。ついでに、此処から学校までの時間は普通は1時間30分。
まぁ、たぶん先輩はバイクで来ただろうから近道を通れば1時間くらいでいけるだろう。
「そうでしたね。不良でも、生徒会長様でしたね。」
先輩のほうをみて俺はクスクスと笑った。
本当に不良にしかみえないのに、昔からこの人は必ず生徒会長なのには変わりない
「お前、俺のこと嫌いだろ?」
「馬鹿だとは思ってます。」
……
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