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黒い携帯は中学生の頃荒れていたときの友人たちとの連絡用の携帯。
白い携帯は学園の知り合いたちとの日常的によく使う携帯。
そして、赤い携帯は俺が仕事のときに使う携帯。紅という名前をつけた先輩が専用に準備してくれた携帯だ。
言い忘れてたけど、緑の編入生くるよ。てのは情報屋として既に知っている。
「こら、赤穂。」
ホスト風な先生(名前は覚えてない)が、俺の携帯をみて、大きな溜息をついた。
「電話みたいです。」
「俺は何回もいってるよな?携帯はマナーモードにしておくか電源切っとけて。」
「そうでしたっけ。それはすいません。以後、覚えていれば気をつけます。」
赤い携帯をもって、俺は教室をでた。
「紅だ。何かようか」
『編入生のことについて。』
「金は高いぞ。それでもいいのか?」
『はい。』
「そうか。」
俺は小さく笑って頭の中にある情報を話す。
「柴田夏帆。2-Sに明日編入する。今日は学校に慣れるために生徒会が案内しているはずだから見ようと思うなら10時45分に案内体育館にでも隠れていればいい。すぐに見つかるはずだ。特徴としては黒のストレートヘアーにエメラルドの瞳。身長は158だ。これ以上知りたければ追加料金だ。」
『ありがとう。』
「それと、2-Sの佐伯直人君。もし他言したら、その時はあんたの大切なものを壊す。」
『了承済みだ。』
「そうか。なら、安心だ」
俺はそれだけ言って電話をきった。
「失礼しました。」
「お前。後で数学準備室にこい。」
「覚えていればいきます。」
いちいち煩い人だ。面倒な人のようだ。
俺の嫌いな感じの人。
呼び出しは忘れて寝てしまおう。
どうせ数学なんて受けなくてもとける。
「今回は早かったね。」
「緑。少し静かにしてくれ。俺は眠い。」
「ダメだよ。尊は寝過ぎ。だから起きないとダメ。頭いいからって絶対に寝かせないよ。」
「俺が頭いいからって八つ当たりするな。」
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