まだ、記憶があるうちに…残しておこう小学校5年生の私たちを

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少しは サトババがどんな人かわかって頂けたかと思う 少し思い出してもらいたい 私が最初に書いたサトババの簡単な自己紹介を サトババは れっきとした女性で 既婚者だ。 子供もいたのだ。 女性という事さえも 未だに信じられないが サトババの女性らしさを探してみようと思う サトババは暴力教師で道徳が教えられない独裁者だった だが、自分の娘の自慢はよくしていた 『ウチの娘は歴史ある有名な小学校に通ってるんだから』 『あんたたちとは比べものになんない』 そんな事をよく言っていた 今思えば うんうん 母親らしいではないかと思う ちゃんと母親だったのかもしれない 旦那の話しは一切出た事はなかったが… (殺ったか…?) で、では 気を取り直して 女としてはどうだろうか 顔は不機嫌 髪がボサボサで一つに結び油ぎっている 私はこの頃 両親が共働きだったため おばあちゃんのいる親戚の家に預けられていた 何かの用で連絡なしにサトババが初めて親戚の家に訪ねて来た時があった サトババが玄関チャイムを鳴らし その風貌と不機嫌な顔で玄関先に立っていた おばあちゃんがサトババを見て 腰を抜かしたのである 浮浪者がお金を恵みに来たと勘違いをしたというのだ サトババがちょっと可哀相にも感じるが 先生らしい、礼儀のある話し方もなかったという これがキッカケでウチの親戚から毛嫌われる事になった そんな彼女だが 女性らしいところを探してあげようではないか 彼女は汗っかきなのか 汗を気にするタイプなのか 常に制汗スプレーを所持していた記憶がある 授業中でもかまわず 教壇の前や教室を見回ってる時も 生徒の前で平気で 制汗スプレーを自分の着ているポロシャツの首元から手を突っ込み シューシューっと 香りと煙りを出しながら 脇にスプレーを振りかけていた 誰もそんな姿は見たくないが やはり、光景が光景なもんで ふと目が合ってしまう事があった そんな時サトババは目が合ってしまった生徒に真っ正面から睨み必ず言い放った 『えっち』
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