まだ、記憶があるうちに…残しておこう小学校5年生の私たちを

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サトババの性癖 今思い返してみると いろいろ考えられる 制汗スプレーの件もその一つではないかと思う… 当時私は少しだけ 山下くんに憧れを抱いていた 理由は簡単 私に優しくしてくれたからだ 私は両親に似て恋愛体質ではあったと思う だから、すぐに“胸キュン”してしまうのだ と言っても 小学生らしい可愛い純粋なものである 小学生時代 私はいじめられっ子タイプであった 勉強も得意でなかったし、とろかったから でも、口だけは達者で男子にも言いたい事を言いケンカをよくしていた…と思う やられっぱなしではなかった それで、たぶん 山下くんともケンカになったのだ。 その日、いつもは優しい山下くんは何故か虫どころが悪かったと記憶してる (CDプレイヤー係がつらくなったのか?) 初めて私に 突っかかってきたのだ ケンカと言っても 小学生らしい、ただのくち喧嘩であった そこに サトババがやってきた。 サトババは 私たちを見ると 他のクラスメイトたちに命令した 『この2人を縄でしばれ』 サトババは“縄”を指差して言った “縄”は みんなでチームワークを図り 少しでも多く跳びたいと願う 小学生 誰しもが 健全に使う “大縄とびの縄”だった 私と山下くんは教室の一番うしろの空いた場所で 背中と背中を合わせられ、体育座りをさせられた 他のクラスメイトたち数名が 縄とびの縄で私たちを縛りはじめた よく映画に出てくる 人質にとられた風景である まさか、縄とびの縄をこういう形で 生徒と担任が一丸となってチームワークよく 男女の小学生を縛りあげるという使用方法があった事を 世の教育委員会の方たちは少しでも 考えた事があったであろうか まさか、私たちも 人質姿になろうとは思いもしない そんな姿のまま 犯人に言われた 『1時間、そうしてな』 私たちは縛り付けられたまま 授業が始まり 1時間縛り付けられた。 残念ながら 若すぎたもので 山下くんとは『吊り橋効果』のような甘い恋には発展しなかったが 私の “小さな恋のメロディー” は、クラスメイトと担任から 大縄とびの縄で縛りあげられたという過激な内容で幕をとじたのである 大人になると 人生いろいろ学び いろんな知識が身につく そうして この件を思い出すと 性格上 サトババは “縛る”のが好きだったのではないかと感じるのだ 推測に過ぎないが…
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