21人が本棚に入れています
本棚に追加
『シュ、シュ』
最初の子は
何も言えずに
悶絶な顔つきでそれに絶えていた
長い、長ーい
2プッシュだったに違いない
肉食獣を前にした草食動物のように
少し震えてたようにも見えた
サトババも、何かを察してわかって欲しいものである。
だって
『大人なのだから…』
(キングオブコメディ風に)
私は実は潔癖な方なので
これだけは
絶対に嫌だった
私の前にサトババが来た時
私は思い切って
断ってみたのである
『あっ、大丈夫です』
小学5年生にしてはあんたシッカリしてると
タイムマシンがあったら、あの時に戻って誉めてやりたい
しかし
『そうか』
とわかってくれる彼女じゃない
彼女お得意の
真っ正面からの睨みをきかされ
無言の圧力を受けた
私の固く閉ざされた口は
“アラブ物語”の石の扉のように鈍く開かれる事となった
こうして
憧れの
“のどヌールスプレーバージン”
を奪われた私は
大人になった今でも
あの日以来
のどヌールを一度も使った事がないのである
最初のコメントを投稿しよう!