まだ、記憶があるうちに…残しておこう小学校5年生の私たちを

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学校生活の中で皆さんの楽しみは何だったろうか? たくさんあると思うが “席替え”は その楽しみのひとつではなかっただろうか? そんな ひと時の楽しみも サトババは容赦なく奪うのだ 今回の小説を書くにあたって5年生の頃を思い出すと やけに、いろいろな席から見た 角度の違う 彼女が思い出される。 それだけ 席替えも頻繁に行われていたという事だ それは、それは 楽しそうではないか!! と思うかもしれない そんな話じゃないのである 席替えをすると 必然的に班が作られなかったろうか? 近くの6人くらいと机を向かい合わせ 給食やら、学級会やらをともに過ごすあれである サトババが仕切る“席替え”は その班に関係するのだ 勘がするどい方は なんとなく、わかったであろう 独裁者サトババは 自分の国を動かす大佐だったのだから 班を自分の思い通りに作るのも あたり前の業務なのである いろいろな決め方があったと思うが(後に紹介したい) その中でも定番だったのは 勉強順、テスト順で班を決めていたのを覚えてる だから “墜ちこぼれ班” というのが必ず存在したのである 席は生徒から見て いちばん右の列の 後ろから6席だ 廊下側と言えばわかりやすいだろうか 冬は廊下から隙間風が入り とても寒く 窓が遠いので光は当たらない まさに“墜ちこぼれ” にぴったりではあった もちろん、呼ばれ方も “墜ちこぼれ班”なので 周りのクラスメイトの前で恥をかかされるのである そして、自分自身も墜ちこぼれとして影のある学校生活を送らなければいけないのだ これが もし、 私立の有名中学のお受験を控える子供たちのクラスだとしたら “墜ちこぼれ班”から 数名の自殺者が出たに違いない
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