まだ、記憶があるうちに…残しておこう小学校5年生の私たちを

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4年生の三学期も終わり 冬休みもあけ 始業式。 どこのクラスの子たちもソワソワ、ワクワクしていた。 『クラスは誰と一緒になるかな?』 『どんな先生が担任になるんだろう?』 始業式は生徒たちからすれば一大イベントとである 私だって期待を胸に ソワソワ、ワクワクしていた …… ただ一つ心から願っていた。 本当に心から願った。 “例の彼女” だけは担任になって欲しくないと そう 初対面にして、怒鳴りを浴びせられたあの人だ 『神さま…お願いします…』 しばらくすると校長先生が担任発表をはじめた、いよいよである 期待と緊張で舞台に釘付けになった ずらずらと舞台にあがる先生たち ちょっと恥ずかしそうな顔した先生や堂々と振る舞おうとする先生、様々なタイプの教員がいるものである そんな先生たちの姿を見て ちょっと優越感が芽生えるのは何故だろう、子供ながらに不思議である その中に表情ひとつ変えず頭がボサボサな彼女もちゃんと舞台に上がっていた 『あ、れ…?』 嫌な予感は的中しそうだった だって 左から先生たちの並び順を数えていくと 私たちのクラスにピッタリと 彼女が当てはまってしまった… 何度も何度も数え直す (いや、大丈夫まだわからない) そう言い聞かせる 発表の順番がきた 息を飲む私 『5年1組担任サトババ!!』 … … 予想的中である そして 私は担任が彼女の 5年1組に所属する事になった。 周りのクラスは安心したに違いない 特に5年2組は。 (一学年2クラスしかない少人数の学校だった) 長い1年の始まりである
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