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●好きなもの
歌
サトババは歌が好きだった
たぶんそうだと思う
歌を歌う時はその不機嫌な顔が少しだけ和らぐ気がしてたから
自分が優雅に指揮をして
私たちに歌わせた
歌の時間は1日に朝と夕2回くらいあったと思う。
1回の練習内容は濃くサトババが気に入らないと何度も歌わされた
そこには絶対に守らないといけないルールがあった
『必ずその優雅なサトババの指揮(指の先)を見る事』
そして
クラスの中に可愛い顔したジャニーズにいそうな子がいた
山下くん(仮名)としよう
山下くんはサトババの大のお気に入りだった
サトババは
山下くんを『ヤマピ~おねがいねん』
とあだなで呼び
CDプレイヤー係をやらせた。
山下くんは
サトババの思い通りにCDプレイヤーを再生させなきゃいけなかった
一年間
彼も彼で大変だったと思うけど、羨ましい位置にいたと思う。
この歌の時間で被害にあったクラスメイトはほとんどだろう
さて気を取り直して
ルールを覚えているだろうか?
サトババの指揮を少しでも目を離してしまった人がどうなるか?
どんな列の後ろにいてもサトババは見張っていた
ある日の歌の時間私は二列めの窓側で歌っていた
その日はいい天気で
歌を歌うにはとても気持ちいい日だった事を覚えてる
私はわざとではなくふと窓の外を見てしまったのである
それは本当に一瞬だった
突然
頭から重い衝撃を受け
それと同時に
『指揮を見ろって言ってんだろー!!』
悲鳴のような声で怒鳴られ
私は思いきり殴られた
山下くんは、サトババに何も言われずともプレイヤーを止めに行き再生する為に待機し
私を殴る為にかき分けた一例目の人にも八つ当たりをした
サトババの怒り任せで私は殴られた
その夜
私は大量の鼻血を出しました。
サトババのせいなのかは不明だが。
このように、
歌の時間で
怒られ&殴られた子はクラスメイト山下くん以外ほとんどだったと思う。
とにかく、ちょっとのよそ見もルール違反だったし
歌声が聞こえない子も、殴られてた。
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