産まれる。

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誰も知らないような小さな家で人知れず、ひっそりと新たな命が産まれた。 「あなた…産まれたわよ…私達の子供…!」 女性の手を握っていた、父親とおぼしき男が産まれたばかりの子供を産湯に浸ける。 「熱っ…!?」 男が抱いていた子供の背中から、炎に触れたような熱さを感じた。 指先を見ると、黒く焦げたような痕が付いていた。 「どうしたの…?あなた」 「いや…」 産まれたばかりの男の子の背中を見る。 男の子の背中には、翼を広げたゃ形をした痣が刻まれていた。 それを見た父親の目の色を変えた。 そして、呟いた。  
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