産まれる。

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「…とんだ計算違いだ」 「…?なに、あなた?」 男は黙って立ち上がり、男の子を柔らかいタオルに包んで母親の隣に寝かせた。 「…ちょっと俺、出てくる」 「うん…行ってらっしゃい」 男が出ていく直前、ガスの元栓を全開まで開いた。 「力を扱えない今ならまだ…殺れる」 家の中に居た母親が異様な匂いと異変を感じた。 「何…ガスの匂い?それと…子供が熱い…」 その瞬間、子供を包んでいたタオルが燃えだした。 そして――…… 事故は起きた。  
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