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「…やっべー完っっっ璧に遅刻じゃねーか!!」
俺は細く薄暗い路地を、全速力で走る。
「ああーと、あんちゃん何処に行く?」
「はい!?いや…俺は別に」
路地の奥のほうで柄の悪い二人組の不良に、気の弱そうな男が絡まれていた。
(…可愛そうに…こっちも関わると面倒だしな…)
俺は男達の隙間を通り抜けようとした。
が、それは叶わず、不良の一人に肩を掴まれた。
「よぉ…もう一人のあんちゃん、そう思うでしょ?金を借りたいだけなのに貸してくれないのよ、このナヨナヨあんちゃん」
もう一人から肩を組まれる。気持ちの悪い柄のシャツを着た男だ。
「目付きの鋭いあんちゃんは…貸してくれるよな?」
ゲラゲラと笑う不良たちに、俺は溜め息をついて答えた。
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