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「俺、今持ち合わせ無いんで…」
肩を組んでいるその手にはナイフが握られ、俺の首筋に向けられた。
「またまた~そんなこと言っちゃって…冗談がそんなに上手だと、殺しちゃうぞ」
「黙れ外道が」
「…はぁ?」
2人の男の首に太い血管が浮かび上がる。
「ガキィ…下手(したて)に出てやればいい気になりやがって…ッ!!!」
肩を組んでいた男はナイフを捨て、俺の首を締める。
もう一人がナイフを拾い、こちらに向かってくる。
「…聞こえなかったか?」
俺は首を締めている男の腹に、肘を思い切り殴り付ける。
「がはぁっ!!」
「このガキッ…!」
男が横薙ぎにナイフを振る。
俺は下に潜り込んで、男の溝に蹴りを入れた。
「ぐえッ!!」
俺が身体を起こし、腹を抑え倒れ込んでいる姿を眺める。
「…さぁて、3秒間だけ待ってやる。目の前から、消えろ」
「く…そ、覚えてろよ!!」
カサカサとまるでゴキブリのように逃げていった。
…つまらないな。
後ろを向くと、絡まれていた男が壁に背を着けて身体を震わせていた。
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