episode23 約束の丘

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「藤場さん...でしたよね?」 「はい」 森は首を傾げた。履歴書によれば取りとめのないただの卒業生。2人のような特殊技能は無いみたいだ。 他にも良い人材は居たのではないか?と疑いたくもなる。 「...貴方は...」 「私は?」 目線が合わない。こんなんでは他の仕事も頼みづらいだろう。 「貴方は私の補佐と言う事で良いでしょうか?」 「補佐…ですか?」 「はい。課長が居ないのでこの部屋も私1人です。電話を取ってくれる人が居ないのも事実なので」 「分かりました。よろしくお願いします」 そう言って藤場は頭を下げる。ここに奇妙な4人組が誕生したのであった。 「では早速、僕は研究室へ...」 「...出かける様なら言ってくれ。普段は黒服連中と一緒に居ればいいんだろう?」 「お任せします」 そう言って2人は部屋から出て行った。そして残されたのは若い2人の男女。 「では今日の任務をお伝えします。藤場さん、車の運転は出来ますよね?」 「出来ますが…一体何を?」 「ちょっとお出かけしましょう。運転、お願いします」 「分かりました」 森はハンドバッグを抱え薄手の上着を羽織って部屋を出て行った。そして藤場もそれに続くのであった。
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