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「藤場さん...でしたよね?」
「はい」
森は首を傾げた。履歴書によれば取りとめのないただの卒業生。2人のような特殊技能は無いみたいだ。
他にも良い人材は居たのではないか?と疑いたくもなる。
「...貴方は...」
「私は?」
目線が合わない。こんなんでは他の仕事も頼みづらいだろう。
「貴方は私の補佐と言う事で良いでしょうか?」
「補佐…ですか?」
「はい。課長が居ないのでこの部屋も私1人です。電話を取ってくれる人が居ないのも事実なので」
「分かりました。よろしくお願いします」
そう言って藤場は頭を下げる。ここに奇妙な4人組が誕生したのであった。
「では早速、僕は研究室へ...」
「...出かける様なら言ってくれ。普段は黒服連中と一緒に居ればいいんだろう?」
「お任せします」
そう言って2人は部屋から出て行った。そして残されたのは若い2人の男女。
「では今日の任務をお伝えします。藤場さん、車の運転は出来ますよね?」
「出来ますが…一体何を?」
「ちょっとお出かけしましょう。運転、お願いします」
「分かりました」
森はハンドバッグを抱え薄手の上着を羽織って部屋を出て行った。そして藤場もそれに続くのであった。
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