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時を同じくして、斉藤化学研究所では対策が練られていた。
会議室ではスタッフや研究員が新たなる懸念事項について考えているようだが、
裏庭で休みを取っている2人の人影が見える。
「直紀。先日はよくやった」
「いえ、何とか勝てましたけど、ギリギリでしたよ。というか、あいつらってまた来るんですかね?」
「たぶん襲ってくるだろう。そんなに諦めの良い連中じゃないからな。」
「そっすか...」
2人は外の肌寒い空気のなかで、コーヒーを飲みながら今後の話をしていた。
「でも、博士。俺一人でやって行けますかね?」
直紀の懸念事項はこれだった。先日は何とか撃退出来たが、今後も上手くいくとは限らない。
「大丈夫だ。それについても対策は練ってある。それに...」
博士はゆっくりと立ち上がり、空き缶をごみ箱に捨てると
「いや、何でもない」
と言って、研究室の方へ向かって行った。
「ま、いいか。」
無線を握りしめ、直紀は天を仰ぐ。空は澄み渡っていてとっても綺麗な青空だった。
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