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「どうなってんだ、これ・・・」
さっきから信じられない光景を目の当たりにしたこの男は、後ずさりをしながら言った。
そして、敵機から逃げるように後方へ全力疾走を遂げた。
あたりにいる人は皆、自分と同じように逃げ惑っている。
中には、助けてくれーと叫びながら我れ先にと逃走する者も居る。
最初は興味津々に眺めていた人も、生命の危機に瀕すると他人を顧みずに逃げていく。
もちろんこの男もそうだった。
大通りを走り抜けて、小道に入り、物陰に身を潜めながら上空を見ると、空から怪しげな怪人部隊が飛び降りてきた。そして、奇声をあげながらあたりの家や物を壊していく。
その姿はまるで、侵略者のそれだった。
このまま遠くへ逃げようと思っていたそのとき、大通りでうずくまっている少年の姿があった。
いや、見えてしまったと言った方が良いだろうか。
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