episode1 敵機襲来

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「誰かっ、誰かいないのか!」 腰は引け、膝も震えていてとても情けない。 ただ、誰かを呼び自分ではない誰かに少年を助けてもらおうと要請した。 ------だがその声も空しく、少年に構わずあたりの人は逃げて行くばかり。 その時、ちょうど少年のか細いすすり泣きが聞こえた。 「ぐすっ、痛いよぉ~、お母さん・・・」 どうやら母親とはぐれてしまったらしい。 (くそ、誰もいないのかよ・・・) 男は自分のありったけの勇気を振り絞り、大通りへ走る。 そして、少年の元へ駆けつけると 「大丈夫か!坊や!」 と平静を装いつつ声をかけた。内心はとてもドキドキだったであろう。 子供を抱え上げてさっきの裏路地へ逃げようとした瞬間、目の前に見た事もない怪物が立っていた。 見た目はまるでコウモリのような怪物。 全身が汚い紫色で、とても気色が悪い。 思わず全身が固まった。
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