★日常★

12/33
前へ
/43ページ
次へ
周りに出来た人だかりを鬱陶しそうにキョロキョロと見た後、鉄ちゃんが口を開く。 「美琴…ごめんな。約束してたのにな。パパ……忘れちゃってて。」 美琴ちゃんは俺のつなぎの太ももあたりをギューっと握って、小刻みに震えていた。 「来月のテスト前は絶対に忘れないから!!…絶対に。」 なるほど、話が見えたね~。鉄ちゃんの事だから、きっとパチンコで負けて来たんだな(´=∀=)タハー 『美琴ちゃん、テストいつ??』 「…ん。来週の水曜日。」 『よし♪んぢゃ、来週の火曜日に勉強しよっか♪』 「…え?総太???」 「んふ~❤するっ♪」 『鉄ちゃん…一個貸しね☆☆』 「…げっ!」 『んぢゃ~美琴ちゃん火曜日にまたね☆彡』 「ん~❤」 太陽が半分だけ顔を残して、こっちを見ていた。 太陽を追い掛けるように、暗闇が空を侵食してゆく…。 暗闇が俺の日常をも蝕んでいる事にまだ気づかずにいた。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加