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周りに出来た人だかりを鬱陶しそうにキョロキョロと見た後、鉄ちゃんが口を開く。
「美琴…ごめんな。約束してたのにな。パパ……忘れちゃってて。」
美琴ちゃんは俺のつなぎの太ももあたりをギューっと握って、小刻みに震えていた。
「来月のテスト前は絶対に忘れないから!!…絶対に。」
なるほど、話が見えたね~。鉄ちゃんの事だから、きっとパチンコで負けて来たんだな(´=∀=)タハー
『美琴ちゃん、テストいつ??』
「…ん。来週の水曜日。」
『よし♪んぢゃ、来週の火曜日に勉強しよっか♪』
「…え?総太???」
「んふ~❤するっ♪」
『鉄ちゃん…一個貸しね☆☆』
「…げっ!」
『んぢゃ~美琴ちゃん火曜日にまたね☆彡』
「ん~❤」
太陽が半分だけ顔を残して、こっちを見ていた。
太陽を追い掛けるように、暗闇が空を侵食してゆく…。
暗闇が俺の日常をも蝕んでいる事にまだ気づかずにいた。
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