プロローグ

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基本的には、一年次の成績順によって主が決められるこの学校の制度。 ならば、学内最下位クラスの実績を持つ兵志が学内最高位クラスの実績を持つ姫香と組むことは普通ありえない事実。 しかしなぜそうなったのか、考えうる理由としては二つ。 一つは学期末に提出した、次年度要請用紙。 これは、生徒が次年度組みたい相手とそうじゃない相手を希望用紙という形で教師に提出する、いわば学生のわがままを聞いてやろうという学校側の配慮。 もう一つは、教師たちによる話し合い。 要は、極端にランクの高すぎる組み合わせやランクの低すぎる組み合わせをなくそうということだ。 これらすべての可能性を考えるのなら、ありえないこともないのだろう。 まあこうして普通なら絶対に関わりを持たない二人、兵志と姫香は出会ったのだ。 ついでに、誰もが『この二人と組むことを拒んだ』という事実を除いてだが……
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