第三話 お姫様とお嬢様

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【作戦名:ボルボックス】 「これが、今年の西軍作戦名です」 そう言って、姫香は黒板に作戦名とその概要について書き記した。 「ボルボックスって何だ?」 「確か……。球体の中から同じものを出して増殖する生物じゃなかったか?」 「でも、私たちが増殖できるわけでもないし……」 作戦名の意図がわからずにざわめき出す会議室。 ところが、姫香は気にもしないで黒板に文字を書き続ける。 ざわめきが収まってきた頃、ちょうど姫香も書き終えたのか、こちらに振り返る。 「では、作戦の中身について話していこうか。ちなみに、質疑応答は最後にまとめてやるから、とりあえず聞くように」 そう言った姫香は、黒板に箇条書された作戦の内容を一つずつ解説していった。 「――――ということだ。」 「では、質疑応答の時間に入ろう。質疑のある者は挙手をしてくれ」
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