第三話 お姫様とお嬢様

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「……はい」 説明を受けてすぐ、メガネをかけた青年が手を上げる。 「それでは、作戦伝達係の小野君」 「皆さん、作戦の内容は理解できたと思いますが、作戦名の意味はなんでしょうか?」 小野君の質問にうなずく生徒たち。 対して姫香は、腕を組み目をつぶると少ししてこう言った。 「意味などない!!」 「はい?」 あまりの潔さに、思わず声を漏らす兵志。 「どうした兵志。そんな疑問形の返事などして」 「そりゃあ、疑問形の返事もしたくなるよ」 どうしてかと、不思議そうにする姫香に兵志は続けて答えた。 「作戦名と言えば、その作戦の核とも言える重要なものでしょうよ」 「そう、意味がない理由はそれ」 「へ?」 あまりにも速い姫香の応答に、兵志は呆然とした。
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