第四話 目指す理由

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「すぐに見つかったから良かったものの、もし敵に遭遇していたらどうするつもりなんですか?」 「はい、おっしゃる通りです」 出発する直前までとは打って変わり、ハキハキとした島崎に兵志は謝ることしか出来ない。 「それじゃあ、仕切り直して行きますよ」 再び二人で進み始めるも、またすぐに差が開いた。 「あ、あの島崎さん。ちょっとペースが速くない?」 「そうですか?私はこれでも遅めのペースだと思うのですが」 兵志の言葉も簡単に受け流し、ずんずんと先を進んでいく。 相双祭開幕の知らせから約十分後、二人は敵の領土に進入していた。 「おかしいですね……」 先を進んでいた島崎が急に立ち止まる。 「えっ?なにが?」 後ろから少し遅れて付いてきている兵志は、呼吸を整えながら質問した。 「私たちはすでに敵の領土の中なのに、少しも人の気配がありません」
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