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「そう、一年生の島崎香奈。彼女は、私たちと同じ養成科に所属する後輩です」
臣成は、兵志に向かって話し続けた。
「そして、彼女の成績はランクCの中でも下位になります。……ランク付けについては、理解していますよね?二年生のあなたなら」
「ああ、上からS・A・B・C・D・Eの六段階の総合相対評価。そして、年度終了時にランクEに該当する者の一部は留年だろ?」
去年、玲奈に耳が痛くなるほど言われ続けていた兵志は、スラスラと言ってみせた。
「その通り!そして今、私が言った彼女のランク」
ここで、臣成は兵志に向かって指を差した。
「……つまり、これらが意味するものとは、彼女とあなたの能力差です」
「能力差?」
「そうです、いくらあなたが過去にEランクだったとしても、新入生でCランク下位の彼女に能力で劣るわけがないんですよ!!」
臣成のこの言葉に、兵志は自らが少なからず評価されているということに気づいた。
「お、おう。……それで結局、何が言いたいんだよ」
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