第四話 目指す理由

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「結局、今あなたの後ろにいる彼女は島崎香奈であって、そうじゃない……」 そう言いながら、臣成は一歩ずつ兵志たちに近づく。 そして、兵志の数メートル先で立ち止まり、指をさして言った。 「そろそろ偽りの殻を脱いで、出てきたらどうですか?」 「主科二年生、東軍大将。我が愛しの最上姫香様!」 「!!!!」 思いもよらない言葉に、兵志は空いた口が塞がらない。 それもそのはず、一年生の島崎香奈だと思っていた人物が、実は東軍大将で自らの相方でもある、最上姫香だと聞かされたからだ。 「……い、いきなり何を言い出すかと思いきや、ここにいる島崎さんが姫香だって?」 「そうです」 「どう見ても、養成科一年生の島崎さんだろ?ついにお前も幻覚を見るぐらいにおかしくなったのか?」 「まあ、端から見れば島崎香奈、本人でしょう。しかし、私には分かります。サナギのように、実は中で美しい蝶が今か今かと出る時を待っているのだと」
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