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「今です!!」
臣成の一言を皮切りに、周りの草むらから囲むように人が現れた。
それぞれの手には、大将を倒す武器であるペイント弾が握られていた。
「ふふふ、これで我々西軍の勝利ですね」
「もし、あなた様の相方がSランクでしたら、四方八方から投げられるペイント弾を避けられたかもしれませんがね」
不敵な笑みを浮かべる臣成。
周りの敵もじわりじわりと兵志たちに近づく。
そして、互いの緊張が相手に伝わるほど近づいた距離で止まる。
兵志と変装した姫香は、互いに背を合わせて敵と対峙する。
「おい、兵志!こうなったら強行突破だ」
姫香が島崎の声で兵志に言う。
「あの女なら、そう遠くない距離にいるはずだから、私は直接勝負を仕掛けにいく」
「だから……足止めは任せたぞ」
姫香の珍しい言葉に、兵志は頼られているという実感を持った。
『まさか、臣成の野郎が言ってたとおりになるとは……』
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