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「……分かりました!持てる力を出しきります」
敵を視界に捕らえたまま兵志は答える。
「果たして、あなたに今の状態で私たちを足止め出来るでしょうか?」
「そんなもん、やってみないと分からないだろ」
「いいえ、分かります。あなたがSランクではなければ無理だと、先ほどでも言いましたでしょう」
臣成は、間髪いれずに答える。
しかし、ここで姫香が臣成に反論した。
「兵志がSランクでなくても、私は一人で突破できる!」
臣成は姫香の急な反論に驚きながらも、冷静に返した。
「確かに、あなた様なら突破することなど容易いでしょう。しかし、足止めとなると意味が違います」
「足止めとは本来、敵対する相手と同じ、もしくはそれ以上の力を持っていなければなりません。でなければ、それはただの犬死にです」
『臣成の冷静な分析と態度、敵対した今の状態だからこそ分かる。……やっぱりこいつは、Aランクの称号にふさわしい力を持ってる』
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