第四話 目指す理由

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「おい、お前ら。私の相方であるこの男を侮辱したってことは、相当な覚悟があってのことだろうな?」 瞬時に取り巻く空気が冷え、囲っていた人びとの表情もどんどん強張っていく。 そんな中、臣成だけは唯一顔色を変ることなく言葉を返す。 「まあまあ姫香様。何を言われようとも、彼が私に勝てば良いだけの話しじゃないですか」 まるで、こうなる展開になると予想していたかのような振る舞い。 そんな姫香が苛立ちを隠せない中、兵志はその場にいる誰もが思いもしない言葉を口にした。 「そうだよ、姫香。勝てば良いんだよ」 「!!?」 「ハハハッ、とんだ戯れ言ですね」 臣成は兵志を心底馬鹿にするかのごとく、ただ見下すように笑った。 「そうだぞ、兵志。お前、自分が御門の野郎に勝てるって本当に思っているのか!?」 「ずいぶんと酷い言い方だな。姫香は僕に勝って欲しくないの?」 兵志は、苦笑いしながら姫香に問う。 「そ、それは……」 姫香は、何と答えていいか戸惑って黙る。
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