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やがて、姫香は自分で出した答えを言葉として絞り出した。
「……出来るなら、出来ることなら勝って欲しいに決まってる!!」
「……それを聞いて安心したよ」
「えっ?」
姫香は兵志の方を向く。
兵志も、背中にいる姫香の方を向いた。
「僕自身だって、あいつに勝てるとは到底思わないよ」
「だけど、それでも、姫香は僕を相方だと言ってくれた。勝って欲しいと言ってくれた」
「だから、僕は頑張る。負けるかもしれないけど、全力で戦って勝ってやる!」
一切の迷いがなくなった澄んだ瞳で、兵志は姫香の目を真っ直ぐ見て言い切った。
「では早速。こちらにステージが用意してありますので、私たちに付いてきて下さい」
しかし、兵志たちは警戒して動こうとしない。
「……大丈夫ですよ。本物のペイント弾なら、全て大将が持っていますので。私たちのは偽物です」
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