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「それはそれは、お褒めに預かり光栄でございます」
「いや、褒めたつもりは無いんだが」
『はあ、今年もこいつと絡まなければならないのか……』
彼は、成績優秀・容姿端麗で我がクラスのエリート、御門臣成(ミカド トミナリ)
ちなみに、実家は資産家で超がつくほどのお坊っちゃん。
しかし、去年の春に彼が入学してきたのは養成科。
[富豪の子は主科に所属する]というのが、これまでの常識。
あえて常識を破る理由とは一体何なのだろう?
それが当時、学年中で話題となっていたことだった。
まあその理由なんかも、世間的にゴールデンウィークと呼ばれる五月の大型連休明けに、すべてが知れ渡ったのだけれども……
これからの臣成をよくよく観察していけば、話さなくてもその理由をすぐに解明できるであろう。
「で、お前は今年もこっちなんだ」
「もちろんですよ。 チャンスが訪れれば、いつでも彼女と組めるのですから」
「いい加減にしとけよ。 お前は去年の暴走が原因で嫌われたんだからな」
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