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《そして、君》
牛若丸を指さす。
《彼の傷を治せるかといったね》
「ああ、言った」
今にも飛び出しそうに奮えている。
《結果的にいえば、それは可能だ。しかし、彼を傷のない状態まで戻したとしても、結局、無限回廊で君に斬られたという事実は変わらない》
そして、残念ながらこのクエストに関係すること以外で、君たちの時間を操る権限を私は持っていない。
《つまり、彼の肉体を永遠にこの洞窟に縛り付けることならば可能ということになる》
(弁慶の時間を洞窟に入ってから斬られるまでに制限し、永遠とそれを繰り返させるということか……)
それはもはや、生きていない。
ただ同じことを繰り返す機械にすぎないじゃないか。
「ふざけるなああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
大きな咆哮(ほうこう)とともに、牛若丸が飛び出した。
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