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我輩は刀を構えたままドラゴンの後ろに素早く回りこむ。
鋭い牙の殺傷力もそうだが、もっとも邪魔なのはその太く長い尻尾。
ドラゴンに致命傷を与えるにはどうしても急所である頭部や心臓を狙わなくてはいけない。
下半身なら飛び込まなくても攻撃することができるが、上半身は違う。
地を蹴って飛び込まなくてはいけない。
それを打ち落とす為に存在しているのが、あの長く揺れる尻尾なのだ。
我輩の刀には命力を使用しなくてはならない制約がある。
故(ゆえ)に外すことはできない。
鋼鉄の皮膚を持つドラゴンを斬るには、不可避である一撃を、狙いを定めて放たなくてはいけない。
開始からまだ5秒。
ドラゴンがこちらに気づく前に、我輩は揺れ動く尻尾目がけ斬撃を放つ。
鋼鉄の皮膚を切り裂くほどの強度と、長さをイメージしたその太刀筋は、容赦ない覚悟と速度でドラゴンの尻尾を切り裂いた。
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