28693人が本棚に入れています
本棚に追加
『つまり、新選組を守る為に新選組を裏切る……ということか?』
考えに考え抜いて辿り着いた答えだとしても、やはり私は納得できなかった。
『それしか、我輩たちに残された道はない!!』
そして、お前たちにも!!!!
まるで、“他の選択肢(可能性)”すべてを歩んできたような、覚悟と意思を見せてそう口にした柳生十兵衛。
(それとも、)
近藤がいなくても新選組(コイツ等)の火は絶えないということか?
リーダーである近藤がいなくとも、新選組の人間は個々で火を絶やさず燃え続ける。
その誰かが存在している限り。
永遠と、永延に。
まるで魂そのものに火を点け、存在高く、永炎と。
『……神』
あくまで声も顔も平常を装いながら、それでも心では心配なのだろう、私の横で見つめる孫権。
『分かってる』
(これほど深く繋がった者たちを相手にすれば、それ相応の被害が生まれる)
そして、その先に勝利を掴んだとしても、メインストーリーの鍵を奪いにくる者たちが現れるかもしれない。
(そこでチームを失っては元も子もない……か)
いや、嘘だ。
その時、私は自分に嘘をついた。
本当は、羨ましかった。
チームを捨ててまでチームのことを想う人間がいることに。
『孫権、』
だから、私はその決断を下した。
『メビウスの輪は本日を以て、解散する』
チームを解散したあと、どれだけ私の意思を引き継いでくれる者たちがいるのか。
チームを解散したあと、どれだけの人間がそれでもついてきてくれるのか。
『神!?』
ただ――――
『黙れ』
ただ、私は知りたかったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!