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(その結果がコレか……)
解散を告知したあと、私の目の前に残ったのは、三国志たちだけ。
他の人間は散り散りになり、後にそのほとんどがレッドキングダムの傘下に加わったという。
(まあ、やり方を模倣したんだ。仕方ない……)
四大元素はそれぞれ旧五芒星のチームに入り、タロット部隊も支持する四大元素の元へ分かれ、後を追った。
唯一、隠者(ハーミット)だけを除いて。
(思えば奴だけだったのかもしれない……)
『お前のせいで、メビウスの輪がこんなことに!!』
永遠に在り続けるのだと確信していたものを奪われたような、そんな眼で、そんな顔で。
柳生十兵衛に一騎打ちを臨んだ、隠者。
その能力から、私が三国志以外に極秘と言える任務を任せていた人間。
そういった意味で、メビウスの輪の中でもしかしたら一番、私の意思に触れていたのかもしれない。
そんな人間が己の意思で牙を剥き、メビウスの輪の一員であることの誇りを謳ったのだ。
私の創り出したメビウスの輪というチーム。
それが失われたあとも、こうして胸に誇りとして掲げている人間の姿を、私は初めて目の当たりにした。
(主導者がいなくなっても、それを受け継ぐ者たちがいる……)
メビウスの輪(私のチーム)にはそれが数人しかいなかった。
しかし、新選組に属する者たちの殆どが、そうなのだ。
だからこそ、そのチームが間違った方向へ向かっていると思ったら、容赦なく執行者になれる。
十兵衛も、信長も、牛若丸も。
(そして、今)
私はそんな人間たちと共にチームを組み、闘い続けている。
(もう、私の意思を受け継ぐ者たちはいないけれど……)
この闘いを終えたとき、きっと私はなれるだろう。
今度こそ、模倣ではなく本物の主導者に。
それこそ、メビウス(永遠)に続くものを――――。
光と闇が交錯する戦闘の中、私はそうした決意を胸に、勝利の二文字を追い求めた。
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