三章

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「危ないっーー。」 桜が叫ぶが、青年は笑みを崩さないままさらり避け、刀を一振りして浪士を斬り捨てた。 「てめぇー、仲間に何しやがる。」 「やっちまえー。」 「おぅ。」 残りの浪士が一斉に斬りかかったが、青年はそれも難なく避けた。 次の瞬間には、その場に立っている者は、青年だけになっていた。 桜は目の前の光景にただ、目を見開いていた。 青年は刀の血を拭うと、さっさとその場所を後にしようとしたが、桜の声がそれを制した。 「待ってー。」 「何?」 「何で助けてくれたん?」 「別に、俺は君を助けた訳じゃないよ。 ただ暇潰しをしただけ。まぁー、弱すぎて暇潰しにもならなかったけど。」 青年はクスクスと笑っている。 それから思い出したように付け加えた。 「あぁー、それと君の容姿じゃよく目立つから早く帰ったほうがいいよ。」 それだけ言い残すと「またね。」と言って去っていった。
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