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最初は家族に馴染めず、敬語で話したり、パンツや下着を洗われるのが
嫌で自分で洗濯などしていましたが、不思議な事に、
本物の家族なんだと思えるようになり、前の人生は前世か夢だと
思うようになりました。
そう思えてくると、前の人生での記憶が少しずつ失われていきました。
唯一鮮明に覚えていた両親の顔や兄の顔や友人の顔や田舎の街並みも
思い出すのに時間がかかるようになりました。
しかし、あの最後の一夜、宗教施設での記憶だけは
ハッキリ覚えていました。
特にあの満面の笑みの老人の顔は忘れられませんでした。
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