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「怪我しませんでしたか!?大丈夫ですか!?あの変なのはっ・・・!?」
慌てて男の人に聞くと、
「もういませんよ。このくらい大丈夫、お嬢に怪我はさせられませんからね。」
と優しく微笑んでくれました。
でも良く見ると、左腕にあった傷の痕近くから少し血が出ているしあちこち服も汚れています。
私は半泣きで、
「ごめんなさい、ごめんなさい、怪我させちゃってごめんなさい!・・・」
と、先ほどの恐怖を思い出し謝り続けました。
あんなに気持ち悪く得体の知れない者と、私を庇いながら対峙してくれたのです。大変じゃなかった訳がないのに、ただ怖がってパニックを起こしていた自分が情けなくて申し訳なくて涙が出てきました。
黒い者から逃れられた安堵も手伝って、涙は止まりません。
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