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「あの・・・親戚の家が近くなんです、怪我消毒するので一緒に来てください。」
やっとの思いでそう言うと、くしゃくしゃと今まで以上に嬉しそうな顔で、
「やっぱり間違ってなかったんだなぁ!」
そう言いながら、私の頭を先程より大きくかき混ぜながら撫でます。
「お嬢は優しく育ったんですね。」
そういって私の頭から手を放しました。
その手を私の目の前に持ってきて、何かを差し出します。
「これをどうぞ。持って行って下さいお嬢。」
紫と緑と黒の太い組紐の先に、直径4センチくらいの木製の黒い丸い物がついてました。そこには祖父の家の家紋が彫ってありました。
後で聞いたのですが、これは根付という昔お財布とかに付けていたものだそうです。
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