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「「「…」」」
まだ日が高かったはず。
まだ参拝の途中だったはず。
それなのに今、三人は夜空の下、整備されていない道の上に、ポツンと立っていた。
建物は明らかに、時代劇のセットのように見えた。
しかし電柱もなく、高い建物もない。
「ハ、ハ、ハ~。
まさかね~?」
百合はひきつった笑みで、独り言を言った。
「百合ちゃん、サッちゃん。
ここどこやろう」
「さぁ?
とりあえずわかるのは、平成では無さそうやな」
「奇遇やな。
うちも思っとったんや」
「では、ゲームやっとる百合さんの予測では、何が相場や?」
「戦国か幕末やろ?
大穴で室町時代やな」
その時、美那は後ろから肩を叩かれた。
「ひ!」
「おい」
その声に釣られて、三人は振り替える。
するとそこには、五人の男がじろじろと、美那を見ていた。
「異人かと思ったが、上玉だったな」
「(異人)」
この言葉で、皐月は何処かを理解した。
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