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「そ、空…?今なんて?」
一瞬耳を疑った。
今聞こえた言葉が本当なら、文脈をまるっきり無視しているからだ。
「…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
空希は友華の聞こえた通りの言葉を続けた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
顔を伏せて震えながら何度も『ごめんなさい』と続けている。
「空!もうやめてっ!何で謝るの?空は悪くないよ!」
それでも空希はブツブツと繰り返した。
「空希!」
友華は思わず『空希』と呼んでしまった。
ビクッ…
空希は一瞬大きく跳ねた。その後、深呼吸を何度かして友華の方を見た。
「…そ、空?」
その目が虚ろだったのが友華を凄く不安にさせた。
「友華…今日は、もう帰るね…」
空希はそう言うと保健室を出ていった。
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