真実

7/7
前へ
/41ページ
次へ
「そ、空…?今なんて?」 一瞬耳を疑った。 今聞こえた言葉が本当なら、文脈をまるっきり無視しているからだ。 「…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 空希は友華の聞こえた通りの言葉を続けた。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 顔を伏せて震えながら何度も『ごめんなさい』と続けている。 「空!もうやめてっ!何で謝るの?空は悪くないよ!」 それでも空希はブツブツと繰り返した。 「空希!」 友華は思わず『空希』と呼んでしまった。 ビクッ… 空希は一瞬大きく跳ねた。その後、深呼吸を何度かして友華の方を見た。 「…そ、空?」 その目が虚ろだったのが友華を凄く不安にさせた。 「友華…今日は、もう帰るね…」 空希はそう言うと保健室を出ていった。 .
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加