第一話 色あせた七色変化球

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翌日のスネークス戦、さとりが四失点して敗戦。連勝は二で止まった。 「ほら、荷物片付けたらサッサと撤収!待機してる管理スタッフ待たせるんじゃないわよ!」 霊夢は周りに呼び掛けると、スコアラーとさとりを呼んだ。霊夢は副監督のアリスよりヘッドコーチのさとりの方が信頼しているように見える。 それはペナント開催前からだ。 「ほら、アリス。行こうぜ。」 クルスがそう言ってアリスの肩を叩くと、ゆっくり頷いた。 アリスは道中、クルスと別れ、球場に向かう。博麗スタジアムだ。グラウンドをひょっこり覗いて見る。 「三十!」 そう言って、レミリアがバッティングマシンから投げられたボールを打った。そのボールを追いかけるのは外野で一人。 紅 美鈴だ。 それを何度も何度も繰り返していた。 「鬼だ…。」 アリスから見れば美鈴を鍛えてるレミリアにしか見えなかった。 だが、実際は違う。 咲夜がレミリアにバッティングを教えてる。以前のレミリアなら絶対なかった光景だ。 そして、外野では優希が美鈴に守備を教えている。 「レミリアの左手…。あんなに不格好だったかしら。」 この距離からでもわかる。左手には薄汚れた包帯がグルグル巻かれていた。いつもグローブしてたり保護グローブを付けているから気が付かなかったが。 とりあえずこの場を離れよう。 そう思ってブルペンに向かう。ブルペンキャッチャーは無しでネットに投げ込もう。 ブルペンに向かうと、大妖精が三月精と小悪魔を指導していた。隣のブルペンに入る。仕切られたネット越しに隣を覗く。 ちょうどサニーが投げていたが、ずいぶんとスライダーが曲がるようになっていた。 「リリース位置変わってるよ、サニー。」 スターが笑いながらからかう。 「変わって無いわよ!」 そう言い返すサニーだったが、捻ってリリースしていた事を後で大妖精に言われてしまっていた。
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