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翌日のスネークス戦、さとりが四失点して敗戦。連勝は二で止まった。
「ほら、荷物片付けたらサッサと撤収!待機してる管理スタッフ待たせるんじゃないわよ!」
霊夢は周りに呼び掛けると、スコアラーとさとりを呼んだ。霊夢は副監督のアリスよりヘッドコーチのさとりの方が信頼しているように見える。
それはペナント開催前からだ。
「ほら、アリス。行こうぜ。」
クルスがそう言ってアリスの肩を叩くと、ゆっくり頷いた。
アリスは道中、クルスと別れ、球場に向かう。博麗スタジアムだ。グラウンドをひょっこり覗いて見る。
「三十!」
そう言って、レミリアがバッティングマシンから投げられたボールを打った。そのボールを追いかけるのは外野で一人。
紅 美鈴だ。
それを何度も何度も繰り返していた。
「鬼だ…。」
アリスから見れば美鈴を鍛えてるレミリアにしか見えなかった。
だが、実際は違う。
咲夜がレミリアにバッティングを教えてる。以前のレミリアなら絶対なかった光景だ。
そして、外野では優希が美鈴に守備を教えている。
「レミリアの左手…。あんなに不格好だったかしら。」
この距離からでもわかる。左手には薄汚れた包帯がグルグル巻かれていた。いつもグローブしてたり保護グローブを付けているから気が付かなかったが。
とりあえずこの場を離れよう。
そう思ってブルペンに向かう。ブルペンキャッチャーは無しでネットに投げ込もう。
ブルペンに向かうと、大妖精が三月精と小悪魔を指導していた。隣のブルペンに入る。仕切られたネット越しに隣を覗く。
ちょうどサニーが投げていたが、ずいぶんとスライダーが曲がるようになっていた。
「リリース位置変わってるよ、サニー。」
スターが笑いながらからかう。
「変わって無いわよ!」
そう言い返すサニーだったが、捻ってリリースしていた事を後で大妖精に言われてしまっていた。
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