玉を巡る二人の愚者

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扉を開けて中に入るとそこには十人位の人がいた。 皆目を丸くして俺を見ている。 「何の用だ転入生」 低いバリトンの声がかけられてそっちを向くと一人のかっこいい人が椅子に座っていた。 俺はその人の腕の中にいるあいつに頭の中が真っ赤に染まったのを感じた。 「何で、何でそんな奴がここにいんだよっ!!」 そう言った瞬間室内にいる奴らに睨まれた。 何で!?俺悪いこと言ってねえのにっ!! 悪いのはそいつじゃんっっ!! 「そんな奴とは随分なご挨拶だな糞餓鬼」 「おれ達の大切な子への暴言は許さないよ」 そう言ってかっこいい人とその隣にいた人がそいつの頭を撫でる。 何でそんな悪い奴庇うんだっ!! 「贔屓だなんて最低だっ!!悪い奴庇うなんてっ!!」 「騒ぐな、和人が起きちまうだろうが」 「それに和人が悪い奴だなんて誰が言ったの?少なくとも和人は君なんかより何倍もいい子だよ」 「なっ、何だよっっ!?俺の方がそいつよりも悪い奴だって言うのかっ!?」 ふざけんなよっ!! こんな奴よりも俺が悪い奴なんてありえないだろっ!! こいつは俺の紀一を奪ったんだからっ!! .
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