過去形の恋心

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「紀一」 そう呼びかけると紀一と転入生、他転入生信者たちが一斉に俺を見る。 「誰だよお前っ」 「うるさい転入生。黙れ公害喋るな下等生物」 「なっ!?」 怒りに顔を真っ赤にする転入生と信者を放置して紀一に向き直る。 「和人何か用か」 「あ?ああ。ただ終わりにしようと思ってな。もうお前いらない」 紀一の目を見て言ったら紀一が固まった。 「いらないって何だよっ!!」 ぎゃんぎゃん喚く転入生。うざいな。 そう思いながら俺は手にしていた紙袋の中身を食堂のテーブルにぶちまけた。 中から出てくるのは 紀一からもらったピアス 紀一からもらったペンダント 紀一からもらった髪留め 紀一からもらったetc… 「転入生、お前紀一のこと好きなんだろ?紀一からの贈り物だ、お前にやるよ。あと紀一の部屋のルームキーのスペアももう俺が持つべきじゃねぇだろうしやるわ」 転入生の胸ポケに鍵を突っ込む。 あとやり忘れたことは…と。 ケータイをポケットから取り出して逆パカ。 バキィという音が静かな食堂内に響いた。 よし、これでやり忘れたことはないな。 .
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