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「馬上から失礼ですが、アイゼンバルト殿ではございませんか?」
二人の対応をしながら進んでいると突然声をかけられた。
王都の燐辺警護の騎馬兵のようだ。
「ああ、その通りだが?」
兵士は馬から降りるといきなり敬礼をし、たどたどしく言葉を繋ぐ。
「し、失礼でありますが、魔王討伐で出られた御方が帰還されたと言うことはまさか…」
俺はその兵士の言わんとしていることがわかった。
今さらながら、俺は勇者としては初めて魔王を無力化することに成功した人物になるわけだ。
「その報告でやってきた。出来ればルーン王との謁見を取り次いでいただきたい。俺は歩きだが、君の駿馬ならすぐにつくだろ?」
兵士は大きな声で二つ返事を返すと、馬に跨がり大急ぎで王都の方へ駆け出していった。
「なんじゃったのじゃ?」
魔王は兵士が過ぎ去る姿を呆気に取られて見ている。
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